ハイランド
スコットランド北部地方のグリーノックとスターリング・パースを結ぶ線の北側の地域。ハイランドの首都とも呼ばれるインヴァネスという人口7万人程の街があります。
氷河時代に氷河の侵食を最も激しく受けた地域で、荒涼とした山々や谷から流れる清流、ピートに覆われた湿地などウイスキー作りに適した環境で、また、イングランドから遠く離れ、山岳地帯であることから密造時代にも官吏の目を逃れてウイスキー造りが盛んに行なわれていた。ハイランド地方のモルトウイスキー蒸留所は東西南北の4地区に分類され、全体的に豊かなコクと香りを持っているのが特徴。東部はスペイサイドに近いためフローラルさが、西部は潮っぽさが、南部はフレッシュさ、北部は力強さが、といった具合に味わいも分かれます。
北ハイランド
- バルブレア
- クライヌリッシュ
- ダルモア
リチャード・パターソンが手掛けるウイスキーはブランデーにも通じる甘美で柔らかい口当たりでホワイト&マッカイのキーモルトとしても広く知られている。 - ダルウィニー
- グレンオード
- グレンモーレンジィ/LVMH(~)
- グレンモーレンジィ オリジナル
- エックス バイ グレンモーレンジィ
- プルトニー
- オールド プルトニー 12年
- ロイヤルブラックラ
- スペイサイド
- ティーニック
- トマーティン
- [グレーン]インヴァーゴードン
南ハイランド
- アバフェルディ
- ブレアアソール
- ディーンストン
- エドラダワー
- グレンゴイン
ローランドとの境界線に位置していますが、ハイランド地方の仕込み水を使用しています。国産のゴールデンプロミス種の大麦を使用しノンピートで麦芽本来の風味が感じられます。 - グレンタレット
現在スコットランドで稼働しているウイスキー蒸留所の中では最古といわれており、ボトルにも「Scotland’s Oldest Working Distillery」と刻まれている。
ジョン&ヒュードラモンドによってパースシャーの田園地帯に、ホッシュ蒸留所として創業。米国禁酒法の影響を受け一度は閉鎖されたものの、1960年代にジェームズ フェアリーにより再稼働し今に至る。全て60樽以下のスモールバッチで製造されている。 - [モルト・グレーン]ロッホローモンド
- ロッホローモンド シグネチャー
- タリバーディン
東ハイランド
- アードモア
ティーチャーズのキーモルトとして使用。ハイランドモルトの中では、スモーキーでピーティな風味がありながらも、繊細な味わいが特徴。 - フェッターケアン
- グレンギリー
- グレンカダム
- グレンドロナック
- グレングラッサ
- グレンアギー
- ノックドゥー
- マクダフ
- ロイヤルロッホナガー
西ハイランド
- アードナムルッカン
西ハイランド地方でも最西端にあるグレンベッグに位置します。アデルフィ社のアレックス・ブルースによると、蒸留所の候補地は7ヶ所挙がりましたが、十分な水が入手できる場所はこの場所だけだったそうで、グレンモアの泉の水源としています。
プライベート・カスク・オーナーシップという原酒の樽販売を行なっています。原酒はピーテッドかアンピーテッド、熟成樽もバーボン樽かシェリー樽どちらに詰めるかを選ぶことができるそうです。
TBS系列の『クレイジージャーニー』で、目白田中屋店主の栗林幸吉さんがこちらの蒸留所を訪れた際に衝動買いされていました。 - ベンネヴィス
- オーバン
- オーバン 10年
ローランド
グリーノックとスターリング、パースを結ぶ線の南側の地域で、スコットランドの首都エディンバラや、グラスゴーがある産業革命の中心地です。ハイランドに比べ穏やかな丘陵地帯が続きイングランドとも近く、穀物の生産量や木炭の供給が豊富だったことから18世紀からウイスキー製造が行われ、1830年代半ばには115以上の蒸留所が認可されていましたが、密造時代に質の悪いウイスキー作りが流行したためモルトウイスキーの蒸留所は激減、豊富な原料をもとにしたグレーンウイスキーの生産地となります。ピートによるスモーキーさは少なく、製麦に木炭を使ったり、発芽した大麦麦芽に加え未発芽の大麦と小麦も用い、3回蒸留の蒸留所も多く、癖も少なめで甘い香りが特徴的で、近年徐々に盛り上がりを見せています。- アイルサベイ
- アナンデール
オーナーはデイヴィッド・トムソンとテレサ・チャーチ夫妻。 - オーヘントッシャン
ゲール語で「野原の片隅」という意味で、ローランド伝統の3回蒸溜を守り続ける唯一の蒸溜所で、アルコール純度が高く、柔らかくクセがない風味が特徴。
第二次世界大戦中にドイツ軍の空襲により破壊され、流れ出したウイスキーで近くの川が琥珀色に染まったと言われる。1994年にサントリーが買収。 - ブラッドノック
- ダフトミル
2005年にライセンス取得し、家族経営を行なっている。 - グレンキンチー
- グレンキンチー 12年
- キングスバーンズ
- [グレーン]キャメロンブリッジ/ディアジオ(1824~)
- [グレーン]ガーヴァン
かつてはシングルモルト「レディバーン」も製造。現在はジンの蒸留も行なっている。 - [グレーン]ノースブリティッシュ
- [グレーン]スターロー
ラベル5用のグレーンウイスキーを生産しており、ブレンディングとボトリングの設備も併設。 - [グレーン]ストラスクライド
- ポートダンダス
- [閉鎖]ロッホカトリン・アデルフィ
スペイサイド
鮭釣りで有名なスコットランドのスペイ川河畔地方。地理的にはハイランドに含まれますが、多くの蒸留所が集中して味わいも似ているため、ハイランド地方と区別されています。グランビアン山脈がもたらす冷涼な気候と良質な湧き水、大麦栽培に適した環境が揃っており、古くから密造酒製造の中心地として栄え、スコッチウイスキー発祥の地ともいわれていています。現在でもスコッチウイスキーの6割近くがこの地域で生産されています。華やかな香りと端麗なピート香をもち、甘みを帯びた落ちついたエレガントさを兼ね揃えていて、ブレンデッドスコッチの原酒としても重宝されてます。フォレス
- ベンローマック
- ダラスデュー
エルギン
- ベンリアック
- グレンバーギー
- グレンロッシー
- グレンエルギン
- グレンマレイ
- リンクウッド
- ロングモーン
- マノックモア
- ミルトンダフ
- ローズアイル
ローズアイル製麦所の跡地に創業され、年間1250万リットルのウイスキーを生産。2020年時点でシングルモルトの販売はなく、すべてブレンデッドの原酒として使用されている。ジョニーウォーカー ワインカスクブレンドの限定ボトルで使用。
バッキー
- インチガワー
キース
- オスロスク
- オルトモア
- グレントファース
- グレンキース
- ストラスアイラ
- ストラスミル
ローゼス
- グレンロセス
- グレングラント
- グレンスペイ
- スペイバーン
- スペイバーン 10年
ダフタウン
1817年にジェームズ・ダフが築いた小さな街ですが、1823年創業のモートラックをはじめとして現在でも数多くの蒸留所が稼動しており、「ウイスキー=ダフタウン」と言われるほどウイスキー作りが盛んです。19世紀頃には当時稼動していた、バルヴェニー、ダフタウン、グレンダラン、グレンフィディック、モートラック、コンバルモア、パークモアの7つの蒸留所をなぞらえて「ローマは7つの丘の上につくられ、ダフタウンは7つのスチルの上に立っている」とまで言われていました。- アルタナベーン
- バルヴェニー
- ダフタウン
- グレンダラン
- グレンフィディック/ウィリアム・グラント&サンズ(1887~)
世界で一番売れているシングルモルトであり、シングルモルト販売のパイオニア。 - キニンヴィ
- モートラック
- [閉鎖]コンバルモア
- [閉鎖]パークモア
リベット
- ザ・グレンリベット/ペルノ・リカール(1824~)
- ザ・グレンリベット 12年
- ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ
- ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク
- ザ・グレンリベット カリビアンリザーブ
- ブレイヴァル
- タムナヴーリン
- タムナヴーリン シェリーカスク
- タムナヴーリン ダブルカスク
- トミントール
- トミントール ピーティータン
スペイ川中流域他
- アベラワー
- バルミニック
- ベンリネス
- カーデュ
- クラガンモア
- クライゲラキ
- ダルユーイン
- ダルムナック
- グレンアラヒー
- グレンファークラス
- インペリアル
- ノッカンドゥ
- ザ・マッカラン/エドリントン(1824~)
「シングルモルトのロールスロイス」とも言われ、シングルモルトとして第3位の売上を誇る。
2018年、海外オークションにて60年熟成ボトルがで1億円超で落札され話題となった。 - ザ・マッカラン 12年 ダブルカスク
- ザ・マッカラン 12年 シェリーオークカスク
- タムドゥー
- トーモア
アイラ
スコットランドの西海岸と北アイルランドの間に位置する人口3,500人ほどの淡路島より少し大きい島。昔はアイレイとも呼ばれていました。温暖で大麦の栽培に適しており、また島の1/4がピートの湿原で覆われていることから、伝統的にウイスキー造りが盛んであった。麦芽を乾燥させる際の燃料に潮風がたっぷり染み込んだピートを使用するため、ヨード臭やピート由来のスモーキーさが特徴で、水もピートの影響を受けており、さらには蒸留所が海辺に建てられていることもこの特徴に一役買っています。クセが強いため、ブレンデッドウイスキーでは脇役の扱いとなります。- アードベッグ
- アードナッホー
アードナッホー湖を採水地とし、クラシックなスタイルのピート香を特徴とするアイラモルトの生産を目指しているそうです。 - ボウモア
- ボウモア 12年
- ブルックラディ
- ブルックラディ ザ・クラシックラディ
- ブナハーブン
- カリラ
- キルホーマン
力強いピートスモークが特徴的な味わいです。 - ラガヴーリン
- ラフロイグ/ビームサントリー(1815~)
- ラフロイグ クォーターカスク
- ラフロイグ セレクト
- [閉鎖]モルトミル
ホワイトホースのオーナーであるピーター・マッキーによってラガヴーリン蒸留所の敷地内に創業。
マッキーは20世紀初頭、キルダルトン沿岸のウイスキーの販売代理店を担当していたが、1907年にラフロイグ蒸留所が経営方針転換により代理店契約が打ち切られたため、その報復として、ラフロイグからディスティラーを引き抜き、スチルの形状もモルトもラフロイグと同一のものを使用した蒸留所を創業させた。
しかし、ラフロイグを脅かす存在にはならず、1960年に操業停止となった。1962年に工場設備は取り除かれ、建物はラガヴーリンのビジターセンターとなる。蒸留器の一部機材は、7年間ほどラガヴーリンで使用されていた。
キャンベルタウン
キンタイア半島の南方に位置する人口5千人程の小さな町です。資源が豊富で良港な港湾もあったことから、ウイスキー蒸留は古くから行なわれていたと言われており、19世紀時点で30もの蒸留所が存在していましたが、米国禁酒法時代に質の悪い密造ウイスキーを流していた経緯もあり、禁酒法解除後に衰退。更に世間がハイランドモルトのような軽めな味わいを好むトレンドに流れていったことで敬遠されるようになってしまいました。潮っぽい風味・香り豊かでオイリーといった特徴があり、近年では蒸留所の復興を目指しています。アイラ地方の蒸留所に比べてピート処理が軽いにもかかわらず潮っぽさが出ているのは、この地方に発生する”海もや”に起因すると言われています。- グレンガイル
- グレンスコシア
- スプリングバンク
アイランズ
オークニー諸島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島にある6つの蒸留所を纏めてアイランズ地域と言います。共通する特徴は特になく、あくまで地理上の括りになります。- アラン
- ハイランドパーク
- ハイランドパーク 12年 ヴァイキング オーナー
- ジュラ/エンペラドール(1810~)
- スキャパ
- タリスカー/(~)
- タリスカー 10年
- タリスカー ストーム
荒々しくスパイシーでピーティーなテイストに、嵐の様な潮の風味と甘い麦の香り。後味は草原の様なフィニッシュ。 - タリスカー ポートリー
スカイ島最大の港町ポートリーから命名。19世紀、荒波を乗り越えポルトガルに向かい、ポートワインを買い付けてていた先人達を称えて名づけたそうです。完熟したプラムのような甘さが特徴。 - タリスカー 57°ノース
蒸留所のある北緯57度から命名。アメリカンホワイトオークのリフィル樽で熟成させた、甘い口当たりながらも力強いスモーキー、黒コショウの様なフィニッシュを持ち合わせているのが特徴。 - トバモリー